暮らしのブログ

じぶんを整え、ごきげんに生きる

自分の存在と悩みが小さく思えた日

うちの子が好きな絵本の1つに、『カメの遠足』というイギリス民話があります。カメの家族が山へ遠足に行く、というストーリーなのですが、カメだけに、それはもう、ゆ〜っくりと進行するわけです。

この絵本に何度も繰り返し出てくる「焦らない、焦らない」というセリフ。娘はこのセリフが気に入っていて、「焦らない、焦らない」と真似をしては、私に向かって「遠足に行きたい」と言うのです。

というわけで、先日、行ってきました。東京の山と言えば、高尾山。新宿から京王線で約1時間ほどのところにある高尾山口に着いたら、ケーブルカー乗り場へと向かいます。

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東京には高尾山の他にも、景信山や御岳山などの山がありますが、その中から高尾山を選んだ理由は、ケーブルカーを利用することで、中腹までの道のりをショートカットすることができるから。

ケーブルカーで山の中腹に着くと、霞台展望台へと向かいます。目の前に広がる東京の街は、意外と小さく見えました。

山頂へは行かずに、お弁当を食べて帰る予定でしたが、東京を見下ろしているうちに、頂上まで登りたい気持ちが湧いてきて、無理なら途中で引き返すことを決め、子どもの手を引き、歩きはじめます。

人が多くてメジャーな1号路表参道コース。途中まで、がんばって歩いていた子どもは、あと少しで山頂というところで「抱っこ…」と言って、動かなくなりました。

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もうすぐ山頂なのに。せっかくここまで来たのに。引き返すのも抱っこ、登るのも抱っこ。どっちを選ぶ?と、一瞬悩みましたが、

先ほどの霞台展望台よりもっと高いところから、東京を見てみたい!という気持ちの方が勝り、14キロの子どもを抱え(!)山頂へと向かいます。

『カメの遠足』の真似をして「焦らない、焦らない」と自分に言い聞かせ、ゆっくり歩く。人生ゆっくり、のんびり、焦らずの心持ちで、少し歩いては休憩し、また歩いては休憩をする。そして、108段の急な階段も、抱っこで登りきり(!)ついに・・・山頂!

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山頂から見える東京は、ぎゅっとコンパクトにまとまっているように見えました。ここから見える小さな東京の中に、ふだん私は存在している。

 

大勢の人が暮らしている東京なのに、高尾山の高さからは、人を見ることができない。見えないくらい小さな人間が抱える悩みって、この自然の中では、たいしたもんじゃないと思えてくる。

 

こんな小さなものに、とらわれていたんだなぁ。自分の存在と自分が抱えている悩みの小ささを、感じることができたような気がしました。

 

自分の存在は大事なものですが、その大きさは、高尾山のように離れたところから見れば、小さい。なにを頭でっかちになっていたんだろうと、ふっとチカラが抜けました。

 

山登りって、自分の小ささを感じるには、いい方法かもしれません。

 
他に、もう一つ大きな収穫が。それは、達成感と自信です。今の私の体調で登ることができた!14キロを抱っこしながら登ることができた!この調子なら、なんでもできるんじゃないの!?という、ポジティブな気持ち。
 
こういう小さな成功体験は、大事にしていきたいものです。高尾山よりもっと高い山だったら?ケーブルカーがない山だったら?今の私なら山頂まで登りきることができず、少し落ち込んだかもしれません。
 
落ち込んで、次の行動を起こす気力を失い、どうせ私には無理なのだからと、自らの行動に抑制をかけ、動かなくなり、閉じこもってしまう。そういう可能性だってあります。

成功体験を積むには、最初のうちは、ハードルは低くていい。自信がつくまでは、小さなことの積み重ねでいいのかもしれません。

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帰りは、看板に「静かに自然を感じながら歩けるコース」と書いてあった、三号路かつら林コースを選びました。
 
途中から、人一人歩けるのがやっと、というほど狭く険しい道へと変わっていき、うっそうとした木々に光を遮られ、あたりは薄暗く、子どもは泣きそうな声で「誰もいないよ。夜になっちゃったよ」と言いながらも、よく歩いてくれました。
 
悩みでモヤモヤとした気持ちになったら、また来よう(ケーブルカーを使ってね!)